ABSOMEC GTMカイゼリン
開発秘話
Q&A No.02

ABSOMEC GTMカイゼリン

【 仕様について 】

Q.PVCフィギュアや超合金などのような塗装済み完成品ではないの?
A.設定上GTMの装甲色は塗装ではなく、構造体そのものの色であることを忠実再現するためにも、あえて塗装表現を最小限に抑えた成型色による仕上げとなりました。
これは、超合金や完成品トイで遊んだことのある方ならどなたでも経験済みとは思いますが、遊んでいるうちに塗装やメッキが剥げ、関節はヘタり、部品がなくなったり壊れたり…日に日にみすぼらしくかわいそうな状態になっていった思い出があるかと思います。そういったことをなるべく回避し、かつ設定にも忠実に再現できるよう、永野先生と幾度にもわたる監修を経たこだわりの成型色やメッキ加工で何とか着地することができました。従って、主な外装の黒色部分や装甲裏、その他一部の細かいディティール以外は成型色そのままとなります。これにより、塗装剥がれを気にすることなく、思い思い存分にポージングを楽しんでいただけます。
Q.実際にどこが塗装されているの?
A.外装黒色部分、フェイスのメイク(眼球、唇、アイシャドウ、イヤリング)、本体の一部凹モールドやガットブロウの柄などが塗装表現となります。また、特徴的なドナウマークなどデザイン的かつ精緻な表現箇所はタンポ印刷で詳細に再現されています。
そのためデカールは付属せず、デカールを貼るという難易度の高い工程を経なくても、どなたでも簡単に組み立てるだけで塗装済み完成品同様の仕上がりとなります。もちろん、塗装や印刷箇所はデカールほど剝がれやすいということもないため、安心してガシガシ遊べます。
Q.プラモデルでもガレージキットでもないということは何でできているの?
A.永野先生と入念な協議の結果、「ツインスイング関節機構を完全再現し、どなたでも簡単に組み立てられ、かつ、安心してガシガシ遊べる」という開発コンセプトから、ABS樹脂(共重合合成樹脂)を主な素材として採用しました。ABS樹脂は良好な流動性を持つため、GTMのような繊細なデザインの再現にも適し、素材としての合成や硬度も高く、加工性、耐衝撃性、曲げ疲労性など機械的特性のバランスにも優れると言われています。また、表面の美観にも優れるため、GTMの特徴でもある「装甲は塗装されているのではなく金属地そのまま」という設定を忠実に再現するためにも、塗装ではなく徹底的に成型色での表現にこだわりました。
ちなみに、鋭利に尖った繊細なデザインの再現には通常のPS樹脂(いわゆる一般的なプラスチック樹脂)の方が一見有利そうではあるのですが、実は基本的な剛性や硬度がABS樹脂に比べて十分ではありません。GTMの外装に使用されるクリア成型に対して、例えば飛行機模型のキャノピーパーツのように透明度ではメリットがあるものの、そうした透明度優先の用途の際にはPS樹脂にガラス成分を混合させるためカリッと乾いた硬度が増すため、アクショントイとしては粘度が不足し欠けやすくなります。さらに、薄く細いパーツや先端の尖った個所には不向きとなり、容易に破損してしまうデメリットがございます。そのため、前述の開発コンセプトからも、ABS樹脂の特性を最大限に活かすこととなりました。
そのほか、関節など各部に一部金属など異素材も使用したマルチマテリアル製品となっております。余談ですが、透明度や硬度でいえばアクリル樹脂を思い浮かべるかと思いますが、確かに模型業界に親和性の高い素材の中では一番かもしれませんが、硬度がありすぎてGTMのような繊細なデザインの加工には不向きで、何より実際に商品化が実現されたとしても材料費や加工費が高価すぎて、一体ウン十万円、いやウン百万円になってしまうかもしれません。(笑)
Q.シルバー部分はメッキなの?
A.バイクやカーモデルなどの模型用メッキと比べ、重厚感、輝き、触れた時のひやりとした金属感など、他に類を見ない高級感あふれる美麗な仕上がり。
何を隠そう「カイゼリン」には、このサイズの模型やGTMのような緻密なディティールを持つ立体物では本来不可能とされる、特殊な金属メッキ加工が施されているのです。これは楽器などで使われる本物のクロームメッキとなります。通常、模型のような一般的なPS樹脂ではその加工処理に耐え切れず採用できませんが、このたび「カイゼリン」のためだけに下地となる樹脂から新たに開発を行い、設計も全面的に見直すことで、何とか実現に漕ぎ着けました。なぜクロームメッキでなければならないのか? それは、普通の模型用メッキではスイングスライドするGTMの可動機構に耐え切れず、遊んでいるうちに容易に剝がれてしまう恐れがあるからです。
模型や玩具に造詣の深い永野先生と最後までこだわりぬいた質感と輝きを、ぜひご堪能ください。

【 機構について 】

Q.「ABSOMEC(アブソメック=絶対機構)」って何?
A.造形師の感性を総動員してあらゆるデザインを立体具現化する「絶対領域」と対を成す、どんな動きでもデザインを損ねることなく再現可能な「絶対的な機構」のことです。また、ボークス/造形村が培ってきた様々なノウハウの集大成でもあります。
従来とは全く異なるアプローチで、理想とする動き、デザインから着想し、機構を構築することで、デザインと機構の両立を実現します。まさに全く新しいロボットで「GTM」の複雑怪奇なツインスイング間接機構にうってつけといえるでしょう。
Q.可動指自体は既に他の玩具などでも実現されているけど何が違うの?
A.単に五指全てを一節ずつ可動させること自体は今ではそれほど難しいことではございませんが、ツインスイング関節でスイングスライド可動するという「GTMの指の動き」を再現することに意義があります。その実現により、一節ずつズレ(スライドし)ながら、折れ曲がったところで「ガコン」とロックするような感触が楽しめます。また、通常のキャラクターロボットと異なり「拳の握り方」も独特で、ぎゅうっと握りこむというよりも異形の大きな掌で包み込むように掴む、劇中のなんとも表情豊かな指の動きを最優先に再現することを目指しました。そのようにダイナミックな動きを繊細な仕組みで構築しているため、お取り扱いには十分ご注意いただけると幸いです。
また、ガットブロウを構える際には、専用の保持パーツを使うことで取りこぼすことなく安心してポージングを楽しめます。
ABSOMEC GTMカイゼリン

【 その他良くあるご質問について 】

Q.説明書は外国語も対応していますか?
A.グローバル化が進む現代において、多くの高級アクセサリや家電製品のように、国内販売向け商品とはいえ海外のお客様対応は必須と考え、日本語版と英・中・韓3か国語対応版の2冊を同梱しました。F.S.S.はいまや世界中に熱狂的なファンを有するコンテンツでもあり、世界中の一人でも多くのファンの皆様に手に取っていただきたいという永野先生の願いも込めて、主だった外国語への対応となりました。ボークスwebの製品ページにつきましても同様に日・英・中・韓の多言語対応となっております。
Q.イヤリングがもう1セット入っていますが予備ですか?
A.破損や紛失時の予備パーツでもありますが、開封時にあらかじめ頭部ユニットに接合されているものとは仕様が異なり、クリア成型パーツにクリアブルーの塗装が施された、ワンランク上の仕上がりを実現するアップグレードパーツとなります。いわゆる改造パーツですので、交換作業には説明書に指示のあるように径のあったピンバイス(模型用ドリル)などの専用工具と、それを扱う工作技術が必要になりますが、成功すればやった甲斐はあるだけの満足いく仕上がりになること間違いなし。
ちなみに、永野先生いわく、「塗装なり改造なりやりたいモデラーは放っておいても自分の技量に合わせて好きにやるだろう」ということで採用された、「どなたでも簡単に組み上げられる」という開発コンセプトのさらに向こう側へと誘うお楽しみパーツでもありますので。腕に覚えのある方はぜひトライしてみてください。
ABSOMEC GTMカイゼリン
Q.塗装や改造を楽しみたいのですがバラバラに分解することはできるの?
A.GTM特有のツインスイング関節機構を忠実に再現し、かつその「可動を楽しむ」という開発コンセプトに基づき、各部が複雑に絡み合って構築されているため、分解すると元には戻せません。
永野先生いわく、「GTMの装甲色は金属の地色そのままで、かつ、汚れないのでウェザリング等の汚し表現も不要」とのことですので、無理に塗装される必要はないかと思われますが、もしチャレンジされたい場合は、もともとの仕様通り分解できる部品のみ外し、マスキング処理等で対応されるのが無難かと思われます。
万が一、初期不良や説明書通りの楽しみ方でやむを得ず破損されてしまった場合は、説明書記載の弊社アフターサービス窓口にまずはご相談ください。
Q.本当にお風呂に入れても大丈夫?
A.はい、「カイゼリン」と一緒に仲良くお風呂に入れます。(笑)
実際には、一部金属も使用していますし、厳密な防水加工が施されているわけではないので推奨は致しません。もし誤って水に浸かってしまった場合は、しっかり水気を切り乾燥させてください。事後のケアをされない場合、不具合が生じます。
ABSOMEC GTMカイゼリン

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